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戦略研究所
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連邦の揚陸作戦能力について | |||||||||||||||||||||||||||||
現在、連邦には揚陸作戦艦艇として強襲揚陸艦、ドック型輸送揚陸艦、ドロップシップ(揚陸艇)
が就役しており、編成として4個揚陸艦隊を整備しています。 1個揚陸艦隊が輸送できる車両は約1,000両にも上り、連邦の同時最大揚陸可能車両数は 4,000両になります。 この数は連邦の地上軍師団の定数では16個師団にもなりますが、現代の米軍機械化歩兵師団の 車両定数に換算すると4個師団強といったところで、それほど多い勢力とは言えないのです。 そもそも上陸作戦というものは、一回で全ての部隊を揚陸できるわけではなく、最初の部隊が 上陸後に橋頭堡を築き、第二陣、第三陣の到着まで耐えて初めて作戦成功といえるのです。 しかし、連邦の揚陸艦隊を全て投入して橋頭堡を築いた場合、第二陣以降の到着は当該艦隊が 連邦星系に一旦戻り、部隊を搭載して再び目標星系に到着するまでという長い期間になるのです。 そのような期間を米軍換算4個師団で支えきれる保障はありません。 というより支えきれない場合の方が多いでしょう。 このような想定に基づき、連邦の揚陸作戦は、目標星系における宇宙港の確保が大前提となる でしょう。 宇宙港を確保し、連邦星系と目標星系宇宙港との間の部隊輸送ルートを確立してから惑星への 揚陸作戦を開始する事になるのです。 部隊の輸送に揚陸作戦艦艇は必要ではありません。車両・人員共に貨物として輸送艦や輸送船で 事足ります。従って揚陸作戦艦艇はピストン輸送されてくる部隊を宇宙港で積み替え、目標惑星へ 赴くことが任務となるのです。 これにより、先鋒として投入される地上軍部隊は長期間孤立することなく、短期間に追送されてくる 後続部隊の到着まで橋頭堡を確保すればよいことになります。 但し、連邦はそもそもその地上軍勢力自体が他国惑星を制圧できるほどのものではないため、揚陸 作戦の目的はあくまで作戦上の要請に基づく期限付きの地域制圧に限定される事になります。 このように、連邦の対外パワープロジェクション能力は限定されたものであり、他国に対し強い 脅威を及ぼすものにはなっていません。 このことはよい面もありますが、「他国から舐められる」という問題点も孕んでいます。 |