戦略研究所
                   
SFに登場する宇宙軍に関する考察
 小職が今まで見てきた中で、最も気に入った「宇宙軍」は「さらば宇宙戦艦ヤマト」に登場する 地球防衛軍艦隊です。
 SFアニメ史上初めて、宇宙軍・宇宙艦隊を構成する各艦種が揃い、艦隊編成も整った組織 であると認識しています。
 地球防衛軍艦隊はその構成艦として、空母、戦艦、巡洋艦、駆逐艦の基本的な艦種に加えて 護衛艦やパトロール艦(巡視船)、パトロール艇(巡視艇)なども揃えていました。
 海軍艦艇の戦闘艦の全てのカテゴリーを網羅して、「宇宙軍」というものの全体像を現した 初めてのSF作品といえるのではないでしょうか。
 さらには、各艦種に共通するデザインベースがあり、それを逸脱しない範囲で軍事に興味の ある人であれば「おっ」と思わせる特徴ある装備を施され、非常によく設定された内容だと 感じていました。以下、その特徴を述べますと。。。。
 各艦種は全体に海上自衛隊の護衛艦を髣髴させる飴色の塗色に黄色のラインを入れたリアル で統一感あるカラーリングとなっている。
 旗艦アンドロメダ。多くの人に「我が人生最高の傑作宇宙戦艦」と言わしめるデザイン。 他の艦艇を凌駕する大型拡散波動砲2門。
 主力戦艦。デザイン的にわざとアンドロメダよりかっこわるくしているところが役作りな船。 小型拡散波動砲2門。
 宇宙空母。船体後部を発着甲板とした、明らかに旧日本海軍の航空戦艦を意識したデザイン。
 本格的宇宙空母を造る直前の試験的段階のフネという設定であろうことすら想像させる、 これまた印象深い船。つう好み。(^^;
 巡洋艦/パトロール艦。これもまたファンの多い美しい船。宇宙船の本来あるべき基本形 「円筒型/円錐型」にヤマト世界特有の構造物、砲、魚雷発射管をうまくあしらっている。 主力戦艦との差別化のため、拡散波動砲は1門。
 とくに、宇宙魚雷発射管などは第二次大戦当時使われていた固定発射管を、そのイメージを 残しつつ上手くデザインしている。
 駆逐艦。しっかりと巡洋艦より弱くしてあり、また、船体の規模を考慮して、波動砲を搭載 しない設定にしたのは立派。
 以後のアニメ作品ではそれなりの宇宙軍が登場するようになりますが、この当時、段階的に リアルさが増していったのではなく、「さらば〜」において突然、ずば抜けてリアルでしっかり した設定の宇宙軍が現れたのです。これを見た時の衝撃は大きかったですねえ。
 いろいろな面でエポックメイキングな作品だった「ヤマト」シリーズですが、衝撃を受けた 第1シリーズの続編に相応しい設定内容だったと思っています。